学んだことが活かせないのはなぜ?
本やネットで新しい手法や概念を学んでいるのに、実務でなかなか活かせないと感じたことはありませんか?
「これは使えそうだ!」と学習中は思っていても、いざ実務に適用してみようとすると、思うように成果が出ない――そんな経験がある方も多いでしょう。
このような状況を解決するヒントとして、「テーラリング」という概念を知っておくと役立ちます。
テーラリングとは
テーラリングとは、プロジェクトにおいて、そのプロジェクト特有の状況や性質に合わせて方法論を調整・適用することを指します。これは、プロジェクトマネジメントの体系であるPMBOKでも重要視されている概念です。
プロジェクトには似たものがあっても、全く同じものは存在しません。たとえば、ゼロから立ち上げる新規プロダクト開発と、すでに数百万人のユーザーがいる製品の改修では、最適な手法がまるで異なるのは当然のことです。
つまり、どのプロジェクトでも一律に同じ手法を適用するわけにはいかず、状況を考慮しながら最適な形に“仕立て直す”必要があるのです。
テーラリングを活かす
冒頭で触れた「学んだことが活かせない」問題に話を戻しましょう。一般に、本やネットで紹介される手法や概念は、何らかの特定の状況を前提に説明されています。しかし、実際のプロジェクトは千差万別。あなたの置かれている現場が、その前提条件に当てはまらない場合も多々あるでしょう。
こうした場合にこそ、テーラリングの視点が重要です。学んだ手法をそのまま適用しようとするのではなく、まずは次のステップを踏んでみましょう。
- 実務の状況・特性の把握プロジェクトに関わるメンバーのスキルセット、納期、難易度、リスクなどを整理し、現状を明確にします。
- 学んだ内容の前提条件を確認その手法はどんな規模を想定しているのか、どのようなリソースが必要なのか。もし前提を満たせない場合は、別の方法を探るか、調整が必要です。
- 具体的にテーラリングして適用する前提条件を考慮したうえで、あなたの現場に合うようにアレンジし、段階的に導入してみます。
これらを意識することで、学んだことと実務とのギャップが少しずつ埋まっていくはずです。
おわりに
本やネットから吸収した知識をどう実務に活かすか――これは多くの人が抱える悩みです。しかし、テーラリングという視点を知り、プロジェクトに合わせて手法を“仕立て直す”という考え方を取り入れれば、単なる情報に終わらず、成果につながる知識として活かせるようになります。
大切なのは、「自分たちの置かれた状況や目的に合う形で手法を柔軟に調整していくこと」。そうすることで、学んだ知識や技術が、実務の中で力を発揮しやすくなるはずです。ぜひ、あなたの現場でもテーラリングの考え方を取り入れてみてください。