はじめに
大きな問題に直面したとき、何から手をつければいいのか途方に暮れる経験は誰しもあるでしょう。自分も、あれこれ手をつけるうちに時間ばかりが過ぎていくことがよくありました。そこで見つけたのが「分割統治法」という考え方です。これを知ってからは、手がまったく動かないという状況が減りました。本記事では分割統治法がいかに問題解決に役立つかを紹介します。大きな課題に直面しても落ち着いて取り組めるようになりたい方の参考になれば幸いです。
分割統治法とは
分割統治法とは以下のような考え方を言います。(出典)
分割統治法(divide and conquer algorithm)とは、大きな問題を効率的に解く手法の一つで、問題全体を同じ構造の小さな問題に再帰的に分割していき、簡単に解けるサイズにした上で解いていく方式。
つまり、問題をそのまま解こうとするのではなく、まずは小さいサイズに分解することからはじめ、分解した問題を順次解いていき、最終的にはそれらの解を集めてもとの大きな問題の解を出すということになります。
この考え方はもともとマージソートやクイックソートなどを解く際のアルゴリズムの設計方針の一つです。しかし、他のより日常的な問題にも適用できます。
なぜ有効なのか
1. 分割作業で問題そのものを把握できる
分割統治法では、いきなり解くのではなく、まずは問題を適切に小分けする必要があります。分割の過程で問題の構造や特性を理解できないと、適切に要素を切り分けられません。どのように小さく区切れば解決しやすいか考えることで、自然と問題の本質を把握できるようになります。
2. 認知の負荷が軽減される
人間の脳はマルチタスクが苦手といわれており、一度にたくさんの要素を扱うと処理能力が下がります。分割統治法では、大きな問題を扱いやすいサイズに分割するため、一つひとつの要素に集中できます。余計な情報を同時に考えなくてよいので、認知の負荷が軽減され、作業の効率も向上します。
3. 短いスパンで達成感が得られる
大きな課題は時間がかかり、長期間成果を感じられないまま作業を続けることになります。すると、モチベーションが下がりやすいのが悩みどころです。しかし、問題を小さな単位に分解して取り組めば、解決するたびに成果が生まれるので短いスパンで達成感を得やすくなります。こうした成功体験がモチベーション維持につながるのです。
具体例
分割統治法を使って「家の大掃除」という課題を解決してみましょう。
掃除場所の分割
2階建ての家を以下のように分割します。
1階
- 玄関
- リビング
- キッチン
- ダイニング
- トイレ
- 洗面所
2階
- 寝室
- 浴室
- トイレ
- 洗面所
その他
- 階段
タスクの細分化
次に、各場所での具体的な掃除内容を細かく分けます。
- 玄関: 靴の片付け、たたきの掃き掃除、傘立ての整理
- リビング: 床掃除、ソファの整理、テレビ台や棚の拭き掃除
- キッチン: シンクの掃除、コンロ周りの拭き取り、冷蔵庫の整理
- ダイニング: テーブルと椅子の拭き掃除、床掃除
- トイレ: 便器の掃除、壁や床の拭き掃除
- 洗面所: 洗面台や鏡の掃除、収納の整理
- 寝室: ベッドメイキング、クローゼット整理、床掃除
- 浴室: バスタブや壁の掃除、排水溝の清掃
- 階段: 手すりや踏み板の拭き掃除
実行
これらのタスクを順番に実行すれば、家全体が効率よく掃除できます。一つひとつのタスクを終えるごとに達成感を味わいながら、最終的には「家の大掃除」という大きな目標を達成できます。
おわりに
分割統治法は、大きな問題を細かく分解し、一つずつ解決することで最終的なゴールに近づく方法です。分割する過程で問題の全体像を理解しやすくなり、作業の優先度が明確になります。また、一歩ずつ達成感を得られるため、モチベーションを保ちやすいメリットもあります。
大きな課題に取り組む際は「まずは分割」を意識してみましょう。遠回りに思えても、最終的にはスムーズに解決へたどり着けるはずです。