本記事では、bashでailasを設定する方法を解説します。
aliasとは
aliasとは、bashシェルにおけるコマンドの別名（ショートカット）を設定する機能です。よく使うコマンドや長いコマンドに短い名前を付けることで、入力の手間を大幅に削減できます。
例えば、git statusというコマンドを毎回入力するのではなく、gsと入力するだけで同じ処理を実行できるようになります。
aliasを使うメリットは以下のとおりです。
- コマンド入力の時間と労力を節約できる
- 複雑なコマンドやオプションを簡略化できる
- タイプミスを減らせる
- 作業効率が向上する
aliasの登録方法
aliasを登録する方法は主に2つあります。一時的に使用する方法と、永続的に設定する方法です。
.bashrcを編集して登録
永続的にaliasを設定するには、.bashrcファイルを編集します。
.bashrcファイルを開きます。
vi ~/.bashrcファイルの末尾に、設定したいaliasを追加します。
alias ll='ls -la'
alias gs='git status'
alias gl='git log'
alias gp='git pull'
alias update='sudo apt update && sudo apt upgrade'ファイルを保存して閉じます。
変更を反映させるために、以下のコマンドを実行してターミナルを再起動します。
source ~/.bashrcコマンドで登録
一時的にaliasを設定するには、直接コマンドラインで入力します。これらの設定はシェルセッションが終了すると消えます。
alias ll='ls -la'aliasの一覧表示
現在設定されているaliasの一覧を表示するには、単にaliasコマンドを実行します。
alias特定のaliasの定義だけを確認したい場合は、その名前を指定します。
alias llaliasの削除
特定のaliasを削除するには、unaliasコマンドを使用します。
unalias [alias name]すべてのaliasを一度に削除したい場合は、-aオプションを使用します。
unalias -a注意点
aliasを使用する際に注意すべき点がいくつかあります。
- 既存のコマンド名と競合しないようにする：システムの重要なコマンドと同じ名前のaliasを設定すると、予期しない動作の原因になります。ただし、安全性を高めるオプション（確認プロンプトの追加など）を付与する場合は、基本コマンドを上書きしても問題ありません。例えば、rm, cp, mvコマンドに-iオプションを付けて上書きすると、誤操作を防げます。
- 引用符の使用：aliasの値は引用符で囲む必要があります。特に複数のコマンドやスペースを含む場合は必須です。
おすすめのalias
日常的な作業を効率化するための便利なaliasをいくつか紹介します。
ファイル操作系
alias ll='ls -la' # 詳細なリスト表示（隠しファイル含む）
alias lt='ls -ltr' # 更新日時順にファイル一覧表示
alias mkdir='mkdir -p' # 親ディレクトリも必要に応じて作成
alias cp='cp -i' # 上書き確認
alias mv='mv -i' # 上書き確認
alias rm='rm -i' # 削除確認Git操作系
alias gs='git status'
alias ga='git add'
alias gc='git commit -m'
alias gp='git push'
alias gl='git log --oneline --graph'
alias gd='git diff'
alias gb='git branch'
alias gco='git checkout'システム管理系
alias update='sudo apt update && sudo apt upgrade'
alias install='sudo apt install'
alias remove='sudo apt remove'
alias df='df -h' # ディスク使用量を人間が読みやすい形式で表示
alias du='du -h' # ファイルサイズを人間が読みやすい形式で表示
alias free='free -m' # メモリ使用量をMB単位で表示
alias ports='netstat -tulanp' # 開いているポートを表示まとめ
Bashのaliasは、コマンドラインでの作業効率を大幅に向上させるための強力なツールです。頻繁に使用するコマンドや長いコマンドに短い名前を付けることで、時間を節約し、タイプミスを減らすことができます。
.bashrcファイルに追加することで永続的に設定できるため、一度設定してしまえば、毎回のログイン時に自動的に読み込まれます。
aliasはBashを使う上での基本的なカスタマイズ方法の一つであり、ターミナル操作をより効率的で快適なものにしてくれます。
