Claude Codeの組み込みスラッシュコマンドを解説

AI

Claude Codeには、開発者の作業を効率化する便利なスラッシュコマンドが豊富に用意されています。本記事では、プロジェクト管理から設定変更、コードレビューまで、日常的な開発タスクを効率化する組み込みコマンドの活用方法を実例とともに詳しく解説します。

Claude Codeの組み込みスラッシュコマンドとは

Claude Codeの組み込みスラッシュコマンドは、特定のタスクを効率的に実行するために事前に定義されたコマンドです。これらのコマンドは / で始まり、プロジェクトの管理、設定変更、デバッグ、レビューなど様々な開発タスクを簡単に実行できます。Claude Codeでは、サジェストを使用してコマンドを入力することができ、必要なコマンドをすばやく見つけて実行できます。

コマンド機能
/add-dir追加の作業ディレクトリを指定
/bugバグレポートをAnthropic社に送信
/clear現在の会話履歴をクリア
/compact現在の会話を要約・圧縮
/configClaude Codeの設定を表示・変更
/costトークン使用量の統計情報を表示
/doctorClaude Codeのインストール状態をチェック
/help使用方法のヘルプ情報を表示
/initCLAUDE.mdガイドを使用してプロジェクトを初期化
/loginAnthropic社のアカウントを切り替え
/logoutAntropicアカウントからサインアウト
/mcpMCP(Model Context Protocol)サーバーの接続とOAuth認証を管理
/memoryCLAUDE.mdメモリファイルを編集
/modelAIモデルを選択または変更
/permissions権限設定を表示または更新
/pr_commentsプルリクエストのコメントを表示
/reviewコードレビューを要求
/statusアカウントとシステムの状態を表示
/terminal_setup改行用のShift+Enterキーバインディングをインストール
/vimVimモードに入り、挿入モードとコマンドモードを交互に使用

組み込みスラッシュコマンド

/add-dir

追加の作業ディレクトリを指定するコマンドです。プロジェクトのコンテキストを拡張し、より多くのディレクトリをClaude Codeの作業対象に含めることができます。

どのようなときに使うか

  • 大規模なプロジェクトで複数のディレクトリを同時に扱いたい場合
  • 関連するプロジェクトやライブラリのディレクトリを追加したい場合
  • 初期設定で含まれていないディレクトリにアクセスしたい場合

実行例

/add-dir /path/to/additional/directory

/bug

バグレポートをAnthropic社に送信するコマンドです。現在の会話履歴と共に問題を報告できます。

どのようなときに使うか

  • Claude Codeの動作に問題が発生した場合
  • 予期しない動作や エラーが発生した場合
  • 機能の改善提案をしたい場合

/clear

現在の会話履歴をクリアするコマンドです。新しい話題や作業を始める際に使用します。

どのようなときに使うか

  • 長い会話履歴をリセットして新しいタスクを開始したい場合
  • コンテキストが混乱してしまった場合
  • プライベートな情報を含む会話を終了したい場合

/compact

現在の会話を要約・圧縮するコマンドです。オプションで特定の指示を与えることができます。実行後、ctrl+rで要約を確認できます。

どのようなときに使うか

  • 長い会話履歴を要約したい場合
  • 重要なポイントのみを残したい場合
  • メモリ使用量を削減したい場合

/config

Claude Codeの設定を表示・変更するコマンドです。各種設定項目の確認と調整ができます。

どのようなときに使うか

  • 現在の設定を確認したい場合
  • デフォルト設定を変更したい場合
  • 特定の機能を有効/無効にしたい場合

コマンドを実行すると、以下の設定項目を確認・変更できます。

  • Auto-compact
  • Use todo list
  • Checkpointing
  • Verbose output
  • Auto-updates
  • Theme
  • Notifications
  • Editor mode
  • Model
  • Auto-install IDE extension

/cost

トークン使用量の統計情報を表示するコマンドです。コンピューティングリソースの消費状況を確認できます。

どのようなときに使うか

  • API使用料金を把握したい場合
  • トークン消費量を監視したい場合
  • 効率的な使用方法を検討したい場合

Proプランでは、以下のように表示されます。

/cost
 With your Claude Pro subscription, no need to monitor cost — your subscription includes 
    Claude Code usage

/doctor

Claude Codeのインストール状態をチェックするコマンドです。システムの健全性を診断します。

どのようなときに使うか

  • インストール後の動作確認をしたい場合
  • 問題が発生した際の診断をしたい場合
  • システムの設定状態を確認したい場合

コマンドを実行すると、以下のような情報が表示されます。

Claude CLI Diagnostic

  • Currently running
  • Path
  • Invoked
  • Config install method
  • Auto-updates enabled
  • Update permissions

/help

使用方法のヘルプ情報を表示するコマンドです。利用可能なコマンドとその説明を確認できます。組み込みスラッシュコマンドだけでなく、カスタムコマンドも含まれます。

カスタムコマンドについてはこちらを参照ください。

どのようなときに使うか

  • コマンドの使い方が分からない場合
  • 利用可能な機能を知りたい場合
  • 初めてClaude Codeを使用する場合

/init

CLAUDE.mdガイドを使用してプロジェクトを初期化するコマンドです。新しいプロジェクトのセットアップを支援します。

どのようなときに使うか

  • 新しいプロジェクトを開始する場合
  • プロジェクトの基本構成を設定したい場合
  • CLAUDE.mdファイルを作成したい場合

/login

Anthropic社のアカウントを切り替えるコマンドです。複数のアカウント間での切り替えが可能です。

どのようなときに使うか

  • 別のAntropicアカウントに切り替えたい場合
  • 個人用と業務用のアカウントを使い分けたい場合
  • アカウント認証が必要な場合

/logout

Antropicアカウントからサインアウトするコマンドです。現在のアカウントセッションを終了します。

どのようなときに使うか

  • 共有端末でのセキュリティ確保のため
  • アカウントを切り替える前に
  • 作業終了時にセッションをクリアしたい場合

/mcp

MCP(Model Context Protocol)サーバーの接続とOAuth認証を管理するコマンドです。外部サービスとの統合を処理します。

どのようなときに使うか

  • 外部サービスとの連携を設定したい場合
  • MCPサーバーの接続状態を確認したい場合
  • OAuth認証が必要なサービスを利用する場合

/memory

CLAUDE.mdメモリファイルを編集するコマンドです。永続的なメモリ設定の管理ができます。

どのようなときに使うか

  • プロジェクト固有の情報を記録したい場合
  • Claude Codeに覚えておいてほしい設定がある場合
  • プロジェクトのコンテキスト情報を更新したい場合

/model

AIモデルを選択または変更するコマンドです。異なるモデルバージョン間で切り替えができます。契約しているプランによって、使用可能なモデルが異なります。

どのようなときに使うか

  • より高性能なモデルを使用したい場合
  • 特定のタスクに適したモデルに切り替えたい場合
  • モデルの違いを比較したい場合

/permissions

権限設定を表示または更新するコマンドです。アクセス制御の管理ができます。

どのようなときに使うか

  • ファイルアクセス権限を確認したい場合
  • セキュリティ設定を調整したい場合
  • 権限エラーが発生した場合

/pr_comments

プルリクエストのコメントを表示するコマンドです。PR関連のコメントを取得・表示できます。

どのようなときに使うか

  • プルリクエストのレビューコメントを確認したい場合
  • コードレビューの履歴を見たい場合
  • PRの議論内容を把握したい場合

/review

コードレビューを要求するコマンドです。自動的なコードレビュープロセスを開始します。

どのようなときに使うか

  • コードの品質チェックを行いたい場合
  • バグやセキュリティ問題を発見したい場合
  • ベストプラクティスの遵守を確認したい場合

/status

アカウントとシステムの状態を表示するコマンドです。現在のシステムとアカウントの状況を確認できます。

どのようなときに使うか

  • システムの動作状況を確認したい場合
  • アカウントの利用状況を把握したい場合
  • 接続状態を診断したい場合

コマンドを実行すると、以下の情報が表示されます。

  • Claude Code Status
  • Working Directory
  • System Diagnostics
  • IDE Integration
  • Account
    • Login Method
    • Organization
    • Email
  • Model

/terminal_setup

改行用のShift+Enterキーバインディングをインストールするコマンドです。ターミナルの入力設定を構成します。

どのようなときに使うか

  • ターミナルでの入力操作を改善したい場合
  • キーボードショートカットを設定したい場合
  • より効率的な入力環境を構築したい場合

/vim

Vimモードに入り、挿入モードとコマンドモードを交互に使用できるようにするコマンドです。

どのようなときに使うか

  • Vimライクな編集操作を使いたい場合
  • 効率的なテキスト編集を行いたい場合
  • Vimの操作に慣れている場合

まとめ

Claude Codeの組み込みスラッシュコマンドは、開発者の日常的なタスクを効率化する強力なツールです。プロジェクト管理から設定変更、デバッグ、レビューまで、幅広い機能が用意されています。

主要なコマンドカテゴリ:

  • プロジェクト管理: /init, /add-dir, /memory
  • 設定・環境: /config, /permissions, /terminal_setup, /vim
  • 認証・アカウント: /login, /logout, /status
  • 診断・監視: /doctor, /cost, /status
  • コードレビュー: /review, /pr_comments
  • 会話管理: /clear, /compact, /help
  • 外部連携: /mcp
  • サポート: /bug

これらのコマンドを適切に活用することで、開発フローを大幅に改善し、より効率的なコードング体験を実現できます。特に、プロジェクトの初期化や設定管理、コードレビューの自動化などは、日常的な開発作業において大きな時間短縮につながります。

Claude Codeを最大限に活用するために、まずは /help コマンドで利用可能な機能を確認し、プロジェクトに適したコマンドを段階的に導入していくことをお勧めします。

タイトルとURLをコピーしました