ClineやGithub Copilot Agentなどの最新AIエージェントツールは、開発タスクを大幅に効率化できる強力な味方です。しかし多くの開発者が経験しているように、AIに任せたタスクが完了しなかったり、見当違いの方向に進んでしまったりすることも少なくありません。本記事では、AIとの協業を最大限に活かすための実践的なTipsを、筆者の経験と調査に基づいて紹介します。なお、説明にはClineを例として使用していますが、これらの原則は他のAIツールにも応用できますので、お使いのツールに置き換えて読んでください。
.clinerulesに事前にprojectの内容を読み込ませる
プロジェクトの構造や重要なファイルを.clinerulesファイルに記述しておくことで、AIがコンテキストを理解しやすくなります。特にプロジェクト固有の規約やアーキテクチャの情報を含めると、AIの提案の質が向上します。
まずはPlan modeを使う
実装を依頼する前に、Plan modeでAIに計画を立てさせましょう。これにより、AIの理解が正しいか確認でき、誤った方向に進むリスクを減らせます。計画段階で修正を加えることで、実装時の手戻りを防げます。
自分で調べる or 方向性の候補を列挙、比較検討させる
完全にAIに依存せず、自分でも基本的な調査を行いましょう。あるいは、Plan modeでAIに複数の解決策を提案させて比較検討することで、より適切な方向性を選べます。これにより、AIが間違った方向性に進むリスクを減らせます。
要件定義を行う
AIに任せる前に、明確な要件定義を行いましょう。自分で行ってもPlan modeで行っても良いです。目標、制約条件、受け入れ基準を明確にすることで、AIが的確な解決策を提供しやすくなります。曖昧な指示は曖昧な結果を招きます。
READMEを配置する
プロジェクトにわかりやすいREADMEを用意しておくと、AIがプロジェクトの目的や構造を理解しやすくなります。インストール手順、使用方法、アーキテクチャの概要などを含めると効果的です。
コードにコメントを書く
複雑なロジックや重要な部分には適切なコメントを残しておきましょう。AIはコメントを読み取ってコンテキストを理解するため、コードの意図が明確になり、より適切な提案や修正が得られます。
タスクを分割する(大きすぎる粒度で投げない)(セッションを分ける)
大きなタスクは小さな単位に分割しましょう。AIは小さく明確なタスクほど正確に処理できます。また、関連するタスクでもセッションを分けることで、コンテキストの混乱を防げます。
プロンプトは明確に書く
AIへの指示は具体的かつ明確に書きましょう。期待する出力形式、制約条件、参考にすべき既存コードなどを明示することで、的確な結果を得られます。曖昧さを排除することが成功の鍵です。
まとめ
AIツールは強力ですが、適切な準備と指示があってこそ真価を発揮します。事前の準備、明確な要件定義、適切なタスク分割、そして明確なコミュニケーションを心がけることで、AIとの協業はより効率的で満足のいくものになるでしょう。これらのTipsを実践して、AIツールを最大限に活用してください。